「機械練り石鹸」と「枠練り石鹸」

石鹸は製法から大きく「機械練り石鹸」と「枠練り石鹸」に分けられます。

機械練り石鹸とはその名前の通り、全工程を機械で作る石鹸のことです。
材料を機械で一気に練り上げ、そのまま機械で押し出し成型するので、大量生産ができローコスト。 安価で泡立ちがよく、洗浄力も高いので、手洗い用や浴用の石鹸、一般的な洗顔石鹸は機械練り石鹸が主流です。

そして枠練り石鹸は、枠に流し入れて、時間をかけて冷やし固めて作る石鹸です。 たくさんの人の手による作業が必要な工程を経て完成するため、どうしてもコストが高くなり、どちらかというと手作り石鹸や高級石鹸のための特別な製法です。

石鹸の種類 メリット デメリット
機械練り石鹸 ・ローコスト
・大量生産可能
・泡立ちがよい
・98%を石鹸素地が占めるので、個性を出すことが難しい
・型崩れ、溶けやすい
枠練り
石鹸
コールド
無乾燥
・美容成分を配合できる
・天然の保湿成分でしっとり
・製造に手間がかかる
・大量生産できない
・溶けやすい
乾燥 ・美容成分を配合できる
・泡立ちがよい
・溶けにくい
・製造に手間と時間がかかる
・大量生産できない
・コスト高

石鹸に汚れを落とす機能だけが求められた時代には、安価な機械練り石鹸がもっともユーザーのニーズに沿った製法だったのですが、 石鹸に毛穴やニキビなどのトラブルを予防する機能や肌に潤いを与える機能など 「汚れを落とす以上の機能」が期待されるようになると、機械練り石鹸では対応できなくなります。

その理由は、機械練り石鹸が原料の98%を石鹸素地(石鹸ベース)とする必要があるからです。 原料のほとんどが石鹸素地のため、石鹸に特徴を追加するための余地は全体のたった2%しか残されていません。 2%の中で特徴を出すためには、香料や着色料を添加して外見上の個性を表すのが精一杯なのです。

これに対して、枠練り石鹸に占める石鹸素地の割合は60〜70%。
つまり、枠練り石鹸には、石鹸ベース以外の有効成分を30〜40%も配合することができます。

色や香りなどの外見的なものだけでなく、 たとえば、しっとりみずみずしい洗い上がりのために潤い成分、 毛穴やニキビなどのトラブルを改善する炭やグリコール酸を配合し、 機能的な特徴をプラスすることで個性的で高機能な石鹸の実現が可能なのです。

そんな高機能性の視点からはよいとこだらけの枠練り石鹸には、「コールドプロセス(無乾燥)製法」と「乾燥製法」に分けられ、さらにそれぞれに特徴的なメリットがあります。

まず、コールドプロセス製法で仕上げた枠練石鹸は、熱を加えないため、原料であるオイルにふくまれる天然保湿成分が破壊されず、そのまま有効成分として肌に作用するという特徴があります。美容成分がたくさん配合されているせいで、溶けやすくはありますが、ナチュラルな風合いで、しっとりした洗い上がりになります。
TINTAUNITAのトリートメントオーガニックソープは、コールドプロセス製法を採用することで、こだわりの素材がもつ天然のパワーを最大限にいかし、スキンケア機能を備えました。

一方、60〜90日かけてじっくり乾燥させる枠練りの乾燥石鹸は、メーカーにとって最も時間と手間がかかり、在庫の確保やコスト面の負担が大きい石鹸の製法といえますが、泡立ちがよく、溶けにくいという取扱いしやすいという特徴があります。
TINTAUNITAのアロマティックソープは、枠練りの乾燥石鹸の製法を採用していますので、 最後の小さな欠片になっても上質な泡で快適に洗顔していただけます。